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【医師監修】不眠症と自律神経失調症の違いは?見極めポイントと対処のヒント

本記事では、不眠症と自律神経失調症という、どちらも日常生活に大きな影響を与える症状の違いを医師が解説します。どちらの症状も「眠れない」「体調がすぐれない」など似たような悩みとして感じやすいですが、原因や対処法は異なります。正しく理解し、適切な対応ができるようになることが大切です。

1. 不眠症と自律神経失調症とは?

不眠症とは

不眠症は「眠りの質や量が不足して、日中の生活に支障をきたす状態」を指します。具体的には、寝つきが悪い(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)、熟睡感が得られないなどの症状があります。

医学的には、不眠が少なくとも1ヶ月以上続き、日中の疲労感や集中力低下、気分の落ち込みなどが伴う場合に「不眠症」と診断されることが多いです。

睡眠の質が悪くなる原因はさまざまですが、ストレスや生活リズムの乱れ、身体の病気、薬の副作用、心理的な要因が挙げられます。

自律神経失調症とは

自律神経失調症は、心身のバランスを整える自律神経の働きが乱れることで、さまざまな身体症状が現れる状態をいいます。

自律神経は、交感神経と副交感神経という二つの神経がバランスを取り合い、呼吸や血圧、消化、体温調節など無意識のうちに体を調節しています。

このバランスが崩れると、動悸、めまい、頭痛、冷えやほてり、胃腸の不調、不眠、倦怠感など、多様な症状が出ます。

自律神経失調症は明確な検査での異常が見られないため、診断は症状の経過や身体所見から総合的に判断されます。

2. 不眠症と自律神経失調症の主な違い

項目 不眠症 自律神経失調症
主な症状 眠れない、睡眠の質が悪い 動悸、めまい、頭痛、冷え・ほてり、胃腸不調、不眠など多彩な症状
原因 ストレス、生活習慣の乱れ、身体疾患、薬剤副作用など 自律神経のバランスの乱れによる多様な身体の不調
診断基準 睡眠障害が1ヶ月以上続き、日中の支障があるかどうか 身体検査や検査で明確な異常はなく、症状や経過で診断
対処法 睡眠環境の改善、生活リズムの見直し、必要に応じ薬物治療 自律神経を整える生活習慣改善、ストレス対策、医療機関での診察

3. 見極めのポイント

医師による診察では、以下の点を重視します。

3-1. 睡眠の状態を詳しく聞く

  • 寝つきはどうか?
  • 夜中に目が覚める頻度や時間帯は?
  • 朝早く目が覚めてしまうか?
  • 熟睡感があるか?

これらが主に不眠症の診断に役立ちます。

3-2. 体調全般の症状をチェック

  • 動悸やめまい、冷え・ほてり、胃腸の調子はどうか?
  • 疲れやすさやだるさ、集中力の低下などは?

これらの症状が複数ある場合、自律神経失調症の可能性が高くなります。

3-3. ストレスや生活環境の確認

どちらの症状もストレスが大きな原因となるため、仕事や人間関係、生活リズム、運動習慣、食事内容などを総合的に確認します。

4. 対処のヒント

医師による指導も踏まえ、生活でできる工夫を紹介します。

4-1. 不眠症に対する対策

  • 規則正しい生活を心がける
    毎日同じ時間に起き、寝る時間も一定に保つことが重要です。
  • 寝る前のリラックス時間を設ける
    スマートフォンやパソコンの画面から出るブルーライトは睡眠を妨げるため、寝る1時間前は控えましょう。
  • カフェインやアルコールを控える
    特に夕方以降は避け、体をリラックスさせるお茶などがおすすめです。
  • 適度な運動を習慣にする
    日中の適度な運動は睡眠の質向上に役立ちますが、寝る直前の激しい運動は避けましょう。
  • 必要に応じ医療機関を受診する
    睡眠薬の使用は医師の指導のもとで行い、自己判断は避けてください。

4-2. 自律神経失調症へのアプローチ

  • ストレスマネジメント
    深呼吸、瞑想、趣味の時間を持つなど、心身を落ち着かせる時間を意識的に作りましょう。
  • 生活リズムの安定
    規則正しい食事や睡眠、適度な運動が自律神経のバランスを整えます。
  • 温冷浴やマッサージ
    血流改善に役立ち、リラックス効果も期待できます。
  • 必要に応じ医療機関で検査や治療を受ける
    症状が長引く場合は、医師に相談し適切な検査や治療を検討しましょう。

5. 不眠症と自律神経失調症が併発することもある

不眠症と自律神経失調症は別の病気ですが、ストレスや生活環境の乱れなどの共通因子により、両方の症状が同時に現れることも珍しくありません。

例えば、自律神経の乱れからくる動悸やめまい、不安感が強いと、なかなか眠れなくなり不眠症を併発するケースがあります。逆に、慢性的な不眠が続くことで自律神経のバランスが崩れ、体調不良が悪化することもあります。

そのため、症状が長引く場合は自己判断せず、医療機関での相談が重要です。

6. 受診のタイミングと医療機関の選び方

以下のような場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 睡眠障害が週3回以上、1ヶ月以上続き、日中の生活に支障があると感じるとき
  • 動悸やめまい、倦怠感など複数の不調が続いているとき
  • 日常生活のストレスや不安が強く、自己管理が難しいと感じるとき
  • 市販薬や生活改善を試しても症状が改善しないとき

医療機関は、まずはかかりつけ医や内科を受診し、必要に応じて睡眠専門の医療機関や心療内科、自律神経専門外来などを紹介してもらう流れが一般的です。

7. 生活習慣の見直しが重要な理由

どちらの症状も根本的な解決には生活習慣の見直しが欠かせない点です。

  • 規則正しい生活
    体内時計を整えることで、自然な眠りや自律神経のバランスが促進されます。
  • ストレスの軽減
    ストレスは自律神経の乱れや睡眠障害の大きな原因です。適度な休息や趣味の時間、相談できる相手を持つことが大切です。
  • 適度な運動
    身体を動かすことで、心身ともにリフレッシュし睡眠の質向上にもつながります。
  • 食事のバランス
    栄養の偏りを防ぎ、体調を整えることで不調の改善に役立ちます。

これらの習慣は一度にすべてを変える必要はありません。少しずつ生活に取り入れていくことが長続きのコツです。

8. 医療機関での診断と治療の流れ

医師はまず問診と身体検査を行い、必要に応じて血液検査や睡眠検査(ポリソムノグラフィー)、心電図などを行います。

不眠症の場合、まずは生活指導を行い、必要があれば薬物療法や心理療法(認知行動療法)を組み合わせることがあります。

自律神経失調症の場合は、症状の緩和を目的とした薬物治療や生活指導、場合によっては専門のリハビリや心理的ケアが検討されます。

9. 患者さんとご家族へのメッセージ

慢性的な不調は、本人だけでなく家族も心配になるものです。医師が伝えたいのは「一人で悩まず、早めに専門家に相談してほしい」ということです。

適切な診断と治療、生活習慣の改善を組み合わせることで、多くの方が症状の改善を実感しています。

また、ご家族の方は、患者さんの話に耳を傾け、安心感を与えることも大切なサポートです。

まとめ

不眠症は主に睡眠に関わる問題で、眠れないことで日中の生活に支障が出る状態です。一方、自律神経失調症は自律神経のバランスが乱れることで多様な身体症状が現れ、その中に不眠も含まれます。両者は原因や症状の特徴、診断や治療方法が異なるため、正しく見極めることが重要です。

どちらの場合も生活習慣の見直しやストレスの管理が症状の改善に大きく役立ちます。もし症状が長引くようであれば、早めに医療機関を受診して専門的な診断や治療を受けることをおすすめします。患者さんご本人だけでなく、ご家族も一緒に支え合いながら適切な対応を心がけていただければ、不調の改善に向けて大きな力となるでしょう。

本記事が慢性的な睡眠や体調の悩みを抱える方々の理解を深め、必要な受診行動の一助となれば幸いです。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

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浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
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