PMS(月経前症候群)とは?
PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)は、生理の前に起こる体や心の不調のことです。痛みやイライラ、落ち込みなどの症状が原因で、学校や仕事、家での生活に影響が出ることが多く、日本の女性の約80%が何らかのPMSの症状を経験していると言われています。
PMSの症状チェック
PMSの症状は、生理が始まる数日前から約2週間にわたって現れ、生理が始まると軽くなるのが特徴です。心と体の両方にさまざまな症状が現れます。
心の症状
生理前には、心のバランスが崩れやすくなり、ちょっとしたことでイライラや落ち込みを感じることがあります。普段と違う自分に嫌悪感を持ったり、気分が塞いだりすることもあります。
〇 イライラしてしまう、怒りっぽくなる
〇 八つ当たりしてしまう
〇 落ち込む、憂うつになる、気分が塞ぐ
〇 急に泣いてしまう
〇 心配性になる、不安になる
〇 焦燥感があり落ち着かない
〇 集中力が落ちる
〇 やる気が出ない
体の症状
体にもさまざまな不調が現れます。頭痛やお腹の痛み、腰痛、胸の張りや痛みが起こることが多く、倦怠感やむくみ、便秘などもよくある症状です。また、食欲が増して甘いものを食べすぎたり、逆に食欲不振になることもあります。
〇 腹痛、腹部膨満感(お腹が張る)
〇 腰痛
〇 頭痛、頭が重い
〇 肌荒れ、にきび
〇 乳房が張る
〇 痛い、むくむ
〇 のぼせる、ほてる
〇 便秘
〇 眠い、過眠、不眠
〇 だるい、疲れやすい
〇 過食による体重増加、食欲不振
PMSの原因
PMSは、女性ホルモンのバランスの変化が原因とされています。排卵の前に増える「エストロゲン」、排卵の後に増える「プロゲステロン」というホルモンのバランスが崩れることで、脳内の神経の働きに影響を与え、体や心にさまざまな不調を引き起こします。
PMSの治療方法
PMSは、生活習慣を整えることや薬を使う治療、カウンセリングなどで改善できます。
生活習慣の改善
〇 規則正しい生活を心がける
〇 ストレスを溜めない
〇 十分な睡眠をとる
〇 栄養バランスの良い食事をとる
〇 塩分、アルコール、カフェインを控える
〇 適度に運動する
症状が出る時期や内容をメモしておくのも効果的です。これによって、事前に予定を調整するなどの対策ができ、ストレスを減らす手助けになります。当院では、まずは生活改善を取り入れながら、その方に合ったペースでサポートしていきますので、お気軽にご相談ください。
薬物療法
症状に応じて、鎮痛剤や抗うつ薬、漢方薬などが処方されます。また、低用量ピルなどでホルモンのバランスを整える治療もあります。これらの薬を使っても妊娠に影響はありません。
カウンセリング
イライラや不安など心の症状が強い場合、専門家によるカウンセリングも効果的です。希望があれば、お問い合わせください。
PMSは婦人科と心療内科どちらを受診すればいい?
どちらを受診いただいても問題ありませんが、PMSには心の不調(イライラ、不安、落ち込みなど)と体の不調(お腹の痛み、頭痛など)の両方があるため、下記を目安にしていただければと思います。

心療内科の受診がおすすめです。特に、生理が始まっても気持ちの不調が続く場合は、うつ病の可能性もあります。

婦人科の受診するのがおすすめです。他の病気が隠れている場合もあるためです。
当院では、必要に応じて他の診療科と連携し、最適な治療を受けられるようお手伝いします。