毎月の生理前に、心や体の不調を感じていませんか?
症状が強く、コントロールできないと感じる場合、もしかしたらPMDDかもしれません。これらの症状は「生理前の不調」と一括りに片付けられがちですが、影響は想像以上に深刻で、仕事や人間関係にも支障をきたすことがあります。本記事では、PMDDとPMSの違い、症状、原因、治療法について解説します。
PMDD(月経前不快気分障害)とは?
PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder:月経前不快気分障害)は、PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)の中でも特に症状が重い状態を指します。具体的には、「イライラ」「気分の落ち込み」「不安」「怒りっぽさ」などの心の症状が顕著で、日常生活や人間関係に大きな支障をきたすことが特徴です。
PMDDとPMSの違い
PMS(月経前症候群)は、生理前に起こる身体的および精神的な症状を指します。これには、倦怠感、胸の張り、不眠などの身体症状と、イライラや不安感といった精神症状が含まれます。これに対し、PMDD(月経前不快気分障害)は、特に精神的症状が顕著で、日常生活に支障をきたすほどの状態を指します。
具体的には、PMSは身体的な症状が主体となる場合が多いのに対し、PMDDでは突然悲しくなる、涙もろくなるなどの感情の不安定さや、強いイライラや怒りなど精神的症状が強く現れます。
詳しい症状については、次の章で解説します。
この症状PMDDかも?セルフチェック
生理開始1週間前から次のような症状が現れる場合、PMDDの可能性があります。気になる場合は以下のリストを確認し、医師に相談しましょう。
〇 感情の不安定さや涙もろさ
〇 怒りやいらだち
〇 抑うつ気分、自己批判
〇 不安や緊張
〇 疲労感や集中力の低下
〇 食欲の変化、過眠または不眠
PMDDの症状と診断基準
PMDDの主な症状は以下の通りです。これらの症状が生理開始前の1週間に顕著になり、月経が始まると軽快するのが特徴です。
〇 著しい感情の不安定性や涙もろさ
〇 怒りやいらだち、対人関係の摩擦
〇 抑うつ気分、絶望感、自己批判的思考
〇 不安や緊張、過剰な高揚感
さらに以下の症状が加わり、合計で5つ以上の症状が認められる場合、PMDDと診断されることがあります。
〇 通常の活動への興味の減退
〇 集中力の低下
〇 倦怠感、疲労感
〇 食欲の変化(過食や特定の食物への渇望)
〇 過眠または不眠
〇 圧倒される感覚、制御不能感
〇 身体症状(乳房の痛み、頭痛、関節痛、むくみなど)
PMDDの原因
PMDD(月経前不快気分障害)の正確な原因は未解明ですが、生理周期に関連するホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の変動が主な要因とされています。また、脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の変動やストレスも関与していると考えられています。
PMDDの治療法とセルフケア
PMDD(月経前不快気分障害)の治療法は以下の2つに分けられます。
1. 薬物療法

■低用量ピル
排卵を抑えることでホルモンの変動を軽減し、症状を緩和します。
■抗うつ薬(SSRI)
精神的症状の緩和に効果的です。
■漢方薬
症状や体質に合わせた治療が可能です。
2. セルフケア

■生活習慣の見直し
バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。特にカルシウムやマグネシウムを含む食品(牛乳、豆腐、ナッツ類、小松菜など)は、精神的安定に寄与するとされています。
■ストレス管理
リラックスする時間を作り、ストレスをためないようにしましょう。
■カフェインやアルコールの制限
症状を悪化させる可能性があるため控えることが望ましいです。
まとめ
PMDD(月経前不快気分障害)は、生理周期と関連する精神的・身体的な不調が特徴ですが、適切な治療とセルフケアで症状を軽減することが可能です。当クリニックでは女性医師が丁寧に診察し、一人ひとりに合った治療を提供しています。気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
女性医師による診察で安心のサポート
当クリニックでは、女性医師による診察を行っており、女性特有の悩みや症状についても安心してご相談いただけます。患者様の声に寄り添い、最適な治療法をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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