年末年始の休暇が終わる頃になると、「また仕事が始まる…」「会社に行きたくない」と強い憂うつ感を抱く方が少なくありません。
長期休暇は心身を休める機会である一方で、生活リズムの乱れや実家・親戚との関わり、社会的なプレッシャーなどによって、知らないうちにストレスが蓄積しやすい時期でもあります。
こうした気分の落ち込みが続く場合、いわゆる“正月うつ”と呼ばれる状態が関係している可能性があります。
本記事では、正月うつが起こる背景と、放置せずに気づきたいサイン、気分の落ち込みを和らげるための対策について医師が詳しく解説します。
正月うつとは?
正月うつとは、年末年始の生活リズムの変化や人間関係のストレス、仕事始めへの不安などが重なり、休暇後に気分が落ち込みやすくなる状態を指します。
休み明けに気分が重くなるのは誰にでも起こりますが、「朝起きられない」「会社のことを考えると動悸がする」「涙が出てしまう」といった症状が続く場合は、正月うつが疑われます。
特に女性の場合、家事・育児負担の増加や実家との関係など、精神的な負荷が重なりやすく、年末年始はメンタルが揺らぎやすいタイミングです。
正月うつが起きやすい理由
1. 生活リズムの乱れ
夜更かし・寝坊が続くと体内時計が崩れ、自律神経が乱れやすくなります。
2. 実家・親戚との付き合いによる気疲れ
人間関係のストレス、親戚からのプレッシャー、家事負担の増加などが心に影響します。
3. 仕事への不安や緊張
「また忙しくなる」「職場の雰囲気が不安」「仕事に戻れるだろうか」といった予期不安が高まり、気分の落ち込みにつながります。
4. 「楽しむべき」という無意識のプレッシャー
SNSや周囲との比較が焦りを生み、休んでいても心が休まらないことがあります。
正月うつのサインに気づくために
以下のような状態が続く場合は、早めのケアが必要です。
- 朝起き上がれない
- 仕事のことを考えると胸が苦しくなる
- 強い不安感や涙もろさが続く
- 寝つけない/眠りすぎてしまう
- 食欲の変動
- 何をしても楽しく感じられない
- 集中できず、意欲が出ない
これらは単なる「休みボケ」ではなく、心が限界に近いサインである可能性があります。
正月うつを防ぐためのセルフケア
1. 徐々に生活リズムを整える
休み明けの直前だけではなく、数日前から就寝・起床時間を戻す習慣が効果的です。
2. 適度な運動を取り入れる
散歩やストレッチなど軽い運動は、気分の安定に役立ちます。
3. “やること”を詰め込みすぎない
実家の手伝いや予定を抱え込みすぎると疲労が蓄積します。
「できないことは無理にやらない」という姿勢も大切です。
4. 一人で抱え込まない
家族や友人に気持ちを話すだけでも心が軽くなります。
必要に応じて、医療機関への相談も選択肢の一つです。
医療機関に相談するタイミング
次のような状態が2週間以上続く場合は、受診を検討してください。
- 強い不安や気分の落ち込み
- 仕事や家事が手につかない
- 朝起きられない状態が続く
- 眠れない、または眠りすぎてしまう
- 「消えてしまいたい」と思う瞬間がある
早めに医療機関に相談することで、軽症のうちから適切な治療を受けることができ、回復が早まります。
まとめ
正月うつは、誰にでも起こり得る年末年始特有のメンタル不調です。
特に女性は家事負担や人間関係のストレスが重なり、気分の落ち込みが強く出やすい時期でもあります。
「気が重いだけ」と放置せず、生活リズムや仕事への気持ちを整える工夫を取り入れながら、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。
気づかないうちに心が疲れていることもありますので、無理せず、自分の心に優しく向き合っていきましょう。
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2025.12.26
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