PMDD(月経前不快気分障害)は、主に精神的な症状が強く出る疾患であるため、仕事や職場でのパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことがあります。以下に、PMDDが仕事にどのような影響を与えるか、またどのように対処できるかを解説します。
PMDDが仕事に与える主な影響
1. 集中力の低下
PMDDの症状として、集中力の低下や注意力の散漫が挙げられます。これにより、以下のような問題が発生する可能性があります。
- タスクを最後までやり遂げられない
- ミスが増える
- 複雑な業務やスケジュール管理が難しくなる
2. イライラや感情の不安定さ
PMDDでは、感情の起伏が激しくなり、対人関係に影響を及ぼすことがあります。
- 同僚や上司とのコミュニケーションが難しくなる
- 些細なことで感情的になり、関係が悪化する
- チームでの作業にストレスを感じやすくなる
3. 疲労感や身体的症状による生産性低下
PMDDでは強い疲労感や頭痛、筋肉痛などの身体的症状が現れることもあります。これにより、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 作業効率が低下する
- 長時間座ったり立ったりする業務が困難になる
- 会議やプレゼンテーションに集中できない
4. 欠勤や遅刻
症状が重い場合、仕事に行くこと自体が難しくなることもあります。
- 無断欠勤や遅刻が増える
- 症状がつらい日を予測できず、スケジュールが不安定になる
PMDDによる仕事への影響を軽減する方法
1. 症状を把握する
まず、自分の症状を記録し、PMDDの影響がどのように仕事に現れているかを把握しましょう。
- 月経周期に合わせた「症状日記」をつける
- 症状が出るタイミングを把握することで、事前の準備が可能になります
2. 職場でのサポートを求める
信頼できる上司や人事部門に相談し、状況を共有することで、以下のような配慮を得られる場合があります。
- 柔軟な勤務時間(フレックス制度やリモートワーク)
- 締め切りや重要な会議の日程調整
- ストレスの少ない環境づくり
3. 自分自身のケアを徹底する
ライフスタイルの見直しは、PMDDの症状を和らげる助けになります。
- 規則正しい睡眠: 睡眠不足は感情のコントロールをさらに難しくします
- バランスの良い食事: 血糖値の安定がイライラの軽減に役立ちます
- 適度な運動: ストレスを解消し、気分を安定させます
4. 専門的な治療を受ける
PMDDは適切な治療で症状を軽減することが可能です。心療内科や婦人科での相談をおすすめします。
- 薬物療法: 抗うつ薬(SSRI)や低用量ピルが有効とされています
- 認知行動療法(CBT): ネガティブな思考や行動パターンを見直すことで症状の緩和を目指します
5. 休息を大切にする
症状が特に重い日は無理をせず、自分をいたわることが重要です。
- 症状が軽減するまでは休暇を取ることも選択肢の一つです
- 仕事の優先順位を見直し、重要なタスクに集中する
PMDDの症状を改善するためにできること
PMDDによる仕事への影響を最小限にするためには、周囲のサポートを得ながら、自分自身も症状に向き合うことが大切です。早めの相談や治療開始により、仕事とプライベートのバランスを取り戻すことができます。
症状に悩んでいる方は、まずは医療機関に相談し、適切なアプローチを見つけることをおすすめします。
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2025.03.28
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