PMDD(月経前不快気分障害)は、生理前の一定期間に起こる身体的・精神的な症状が生活に大きな支障を与える状態であり、学生生活にも多大な影響を及ぼす可能性があります。以下に、PMDDが学生生活に及ぼす具体的な影響と対策を説明します。
PMDDが学生生活に与える影響
1. 学業への影響
- 集中力の低下
PMDDの症状には集中力の低下が含まれるため、授業中の内容を理解しづらくなったり、試験勉強に支障をきたしたりすることがあります。 - 課題や試験への悪影響
イライラや不安感が強まることで、締め切りのある課題や試験準備に取り組む気力が湧かなくなることもあります。
2. 対人関係の問題
- 友人やクラスメイトとのトラブル
強い感情の波やイライラにより、友人やクラスメイトとの関係がギクシャクすることがあります。 - 孤立感の増大
感情のコントロールが難しいことで、「自分は周囲と違う」と感じ、孤立感を抱く場合があります。
3. 部活動やアルバイトへの影響
- 活動への意欲低下
身体的な疲労感や精神的な落ち込みにより、部活動やアルバイトに積極的に参加できなくなることがあります。 - 人間関係の摩擦
対人関係でのトラブルが部活やアルバイト先でも起こりやすくなります。
4. 身体症状の影響
- 睡眠不足
睡眠障害が現れることがあり、寝不足により日中の学業や活動に支障をきたします。 - 体調不良
頭痛や腹痛、筋肉痛など身体的な症状も学生生活を妨げる要因になります。
PMDDの症状を和らげるためにできること
1. セルフケア
- 生活リズムを整える
規則正しい睡眠やバランスの良い食事を心がけることで、症状の緩和が期待できます。 - ストレス管理
深呼吸や瞑想、軽い運動などでリラックスを心がけましょう。
2. 周囲のサポートを受ける
- 相談する
信頼できる友人や家族、教師に状況を共有し、理解を求めましょう。 - 学校のカウンセリングサービスを利用
学校にカウンセリングサービスがあれば、専門家の助けを借りることができます。
3. 医療機関でのサポート
- 心療内科や婦人科の受診
PMDDは適切な診断と治療が可能な疾患です。ホルモン療法や抗うつ薬など、医師によるサポートが効果的です。
4. スケジュールの調整
- 症状が出る時期を把握
生理周期を記録して、PMDDの症状が出るタイミングを予測し、計画を立てやすくします。 - 余裕を持ったスケジュールを組む
症状が重い時期には無理をしないよう、予定を軽減することが重要です。
まとめ
PMDDは学生生活にさまざまな影響を及ぼしますが、早期に対処することで、症状を和らげ、生活の質を改善することが可能です。
「生理前のイライラや不安が続き、学業や対人関係に影響が出ている」と感じた場合は、心療内科や婦人科に相談することをおすすめします。専門的なサポートを受けながら、無理なく学生生活を送れる環境を整えましょう。
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