電話予約
受付時間
アクセス
診療内容
FAQ
女性のメンタルヘルス

【医師監修】不安感が強いのは心のSOSかも?放置しないでほしい理由とは

「このままで大丈夫なのかな」「何か悪いことが起こる気がする」「漠然とした不安がずっと消えない」——そんな不安感に悩まされていませんか?

日々の生活の中で不安を感じることは、誰にでもある自然な反応です。しかし、不安感が強くなりすぎて日常生活に支障が出るほどになると、それは心のSOSである可能性があります。

本記事では、医師による監修のもと、不安感が強くなる背景や考えられる原因、放置せず早めに医療機関を受診してほしい理由について解説します。

不安感とは?誰にでも起こる心と体の反応

不安感とは、「この先に何か良くないことが起きるのではないか」と感じる心の状態です。たとえば、大事な仕事の前や病気の検査結果を待っている時など、私たちは程度の差こそあれ不安を感じます。

これは、生物として危険から身を守るための正常な反応であり、脳がストレスに対して「警戒態勢」をとっているサインでもあります。つまり、不安を感じること自体が悪いわけではありません。

しかし、問題となるのは以下のようなケースです。

  • 特に理由がないのに不安な気持ちが続く
  • 不安のせいで外出や人と会うことが難しくなる
  • 体の症状(動悸・息苦しさ・めまいなど)まで出てくる
  • 不安で眠れなくなる、食欲が落ちる
  • ネガティブな考えがぐるぐると止まらない

このような状態が長引いている場合、それは心身のバランスが崩れているサインかもしれません。

強い不安感の背景にある主な原因

1. 心理的ストレスや生活環境の変化

仕事・家庭・人間関係・介護・子育てなど、日常生活の中には多くのストレス要因があります。特に30〜60代の女性は、複数の役割(妻・母・娘・職場での責任など)を同時に抱えやすく、慢性的な疲労やプレッシャーが心身の負担になります。

また、環境の変化——たとえば、転職や引っ越し、子どもの進学や独立、親の介護の始まりなど——も心の安定を崩すきっかけになります。

2. 更年期やホルモンバランスの変化

女性は40代後半から50代にかけて、更年期を迎えます。この時期は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変化し、自律神経や気分に影響を与えやすくなります。

その結果、理由のわからない不安感やイライラ、不眠、体の不調が現れることがあります。更年期に関連する不安感は、婦人科や心療内科での診療で適切に対応できます。

3. 不安障害などの心の病気

強い不安が長期間続く場合、「不安障害(不安症)」や「パニック障害」、「全般性不安障害」などの精神的な病気の可能性も考えられます。以下のような特徴がある方は、注意が必要です。

  • 特定の状況や場所が怖くて避けてしまう
  • 突然強い不安発作(パニック)が起こる
  • 過剰な心配が数ヶ月以上続いている

これらは決して「気の持ちよう」ではありません。心の病気は体の病気と同じように、適切なケアが必要です。

放置してはいけない理由

不安感は、「そのうち治るだろう」と見過ごされやすい症状です。しかし、放置してしまうことで次のような問題が起こることがあります。

  • 不安が慢性化し、うつ状態へと進行してしまう
  • 心身のバランスが崩れ、体の不調(不眠・胃腸障害・免疫低下など)に影響する
  • 人付き合いや仕事がうまくいかず、孤立感が強まる
  • 生活の質(QOL)が大きく低下してしまう

特に、まじめで責任感が強い人ほど、「自分が弱いだけ」「こんなことで受診してはいけない」と思い込んでしまう傾向があります。

ですが、不安感は心の病気の”初期症状”であることが多く、早期の対処で改善できるケースが多いのです。

不安感とうまく付き合うためにできること

1. 生活リズムを整える

不安感を軽減するには、規則正しい生活が基本です。毎日の睡眠時間を確保し、バランスのよい食事や軽い運動(ウォーキングやストレッチなど)を取り入れることで、自律神経が安定しやすくなります。

2. 頑張りすぎない・一人で抱え込まない

「ちゃんとしなければ」「迷惑をかけてはいけない」と自分を追い込みすぎると、心の余裕が失われます。完璧を目指さず、「できなくてもいい」と思える柔軟さを持つことも大切です。

また、不安な気持ちを信頼できる人に話すだけでも、心が軽くなることがあります。

3. 医療機関に相談する

不安感が続く・強くなる・体の症状を伴う場合は、医療機関に相談することをおすすめします。

心療内科やメンタルクリニックでは、症状に応じたカウンセリングや薬物療法などの選択肢があります。「病気かどうか不安」という方も、相談だけでも問題ありません。早めの受診が回復への第一歩です。

まとめ

強い不安感は、心と体が発する「助けて」というサインかもしれません。

不安感は誰にでも起こりうる正常な反応ですが、日常生活に支障が出るほど強くなったり、長く続いたりする場合は注意が必要です。その背景には、心理的ストレスやホルモンバランスの変化、さらには不安障害などの心の病気が関係していることもあります。

「そのうち治るだろう」と我慢して放置してしまうと、症状が悪化し、心身の健康に影響を及ぼすことがあります。しかし、医療機関に早めに相談することで、適切なサポートや治療につながり、より早く楽になる方法を見つけられる可能性があります。

不安を我慢することは決して「強さ」ではありません。自分の心にやさしく向き合うことも、健康を守る大切な一歩です。つらい気持ちをひとりで抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

あわせて読みたい
>【医師監修】ストレスだけじゃない!女性ホルモンと自律神経の密接な関係
>【医師監修】「人前で緊張してしまう」…それは社交不安障害かもしれません
>【医師監修】女性のうつの原因と影響—ホルモンバランスと心の関係

福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

ともクリニック浜松町について
浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
当院では、女性医師があなたの心に寄り添い、お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な診察を行っています。うつ病や不眠、PMSや更年期の悩み、自律神経失調症状など、メンタルヘルス不調でお困りでしたら、安心してご相談ください。

受付時間・ご予約

当院は初診・再診ともに予約制となっております。

  • 午前:09:30~12:30 午後:14:00~18:00
  • 土曜:09:30~13:30
  • 休診日:木曜・日祝・最終週の水曜午後
アクセス

〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-5 浜松町営和ビル5F

関連コラム

  1. 【医師監修】不安感が強いのは心のSOSかも?放置しないでほしい理由とは

  2. 【医師監修】眠れないのは自律神経の乱れが原因?不眠と自律神経失調症の関係

  3. 【医師監修】不眠症と自律神経失調症の違いは?見極めポイントと対処のヒント

  4. 【医師監修】なぜ自律神経は乱れるのか?その原因をわかりやすく解説

  5. 【医師監修】症状が似ていても原因は別?自律神経失調症と間違えやすい身体の病気

  6. 【医師監修】自己判断はリスク大!自律神経失調症と誤解されやすい疾患一覧

  7. 【医師監修】自律神経失調症は女性に多い?年齢・ライフステージ別の傾向と対策

  8. 【医師監修】ストレスだけじゃない!女性ホルモンと自律神経の密接な関係

PAGE TOP
FAQ