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【医師監修】ストレスだけじゃない!女性ホルモンと自律神経の密接な関係

「なんとなく体がだるい」「気分が落ち込みやすい」「寝ても疲れが取れない」――このような不調を「年齢のせい」「ストレスのせい」と片づけていませんか?

確かにストレスは体調に大きな影響を与えますが、女性の場合は“女性ホルモンの変化”が、自律神経のバランスに影響を与えていることがあります。

本記事では、女性ホルモンと自律神経の関係性について、医師による解説を交えながら詳しくご紹介します。
体調不良の原因を正しく知り、必要に応じて医療機関の受診を検討するきっかけになれば幸いです。

女性ホルモンとは?体に与える役割

女性ホルモンには主に「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、思春期から閉経に至るまで、女性の心身に多くの影響を与えています。

エストロゲン(卵胞ホルモン)
肌や骨、血管の健康を保つ働きがあり、「女性らしさ」を司るホルモンとも言われます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)
妊娠の維持に関わるホルモンで、体温を上げたり、むくみやすくさせたりする働きがあります。

これらのホルモンは月経周期やライフステージによって分泌量が変化し、それに伴い体調や気分にも影響を及ぼします。

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自律神経とは?乱れるとどうなるのか

自律神経は、呼吸・心拍・消化・体温調整などを無意識にコントロールしている神経です。

交感神経(活動モード)と副交感神経(休息モード)のバランスが取れていることが、健康的な状態といえます。

しかし、自律神経が乱れると以下のような不調が起こりやすくなります。

  • 倦怠感・疲労感
  • 頭痛・肩こり・めまい
  • 胃腸の不調
  • 不眠
  • 気分の落ち込み・不安感

女性ホルモンと自律神経の関係とは?

女性ホルモンの変動は、自律神経の働きに密接に関係しています。

その理由のひとつが、「視床下部」という脳の部位にあります。

視床下部は“司令塔”

視床下部は、ホルモン分泌の調整(内分泌系)と、自律神経のコントロールの両方を担っている部位です。

つまり、女性ホルモンの変化が視床下部に影響すると、同時に自律神経のバランスも崩れやすくなるということです。

特に以下のような時期には、ホルモンバランスの乱れが顕著になり、自律神経の不調が現れやすくなります。

  • 月経前(PMS)
  • 産後
  • 更年期

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更年期に起きやすい自律神経の乱れ

40代半ば〜50代にかけて迎える「更年期」は、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が急激に減少する時期です。

この時期には以下のような症状が現れやすくなります。

  • のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)
  • 動悸・息切れ
  • 寝つきが悪い・途中で目が覚める
  • 気分の落ち込み・不安感
  • イライラしやすい

これらは「更年期障害」として医療機関でも診断・対応が可能な症状です。
ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、生活習慣の改善など、症状に応じた治療法が選ばれます。

ストレスとの関係も見逃せない

女性ホルモンと自律神経の関係に加えて、心理的ストレスも自律神経を乱す大きな要因です。

仕事や家庭でのプレッシャー、人間関係などが続くと、交感神経が優位になりすぎて、体が休まらなくなります。

その結果、次のような悪循環に陥ることがあります。

  1. ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れる
  2. 自律神経の乱れでホルモンバランスも崩れやすくなる
  3. ホルモンバランスの乱れがさらに不調を引き起こす

日常生活でできるセルフケア

医療機関での治療も大切ですが、日常生活の見直しも自律神経とホルモンバランスの安定に役立ちます。

以下のような生活習慣を意識してみましょう。

  • 規則正しい生活リズム:
    朝日を浴びる・決まった時間に寝起きするなど、体内時計を整える習慣が効果的です。
  • 適度な運動:
    ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で身体を動かすことで、気分転換にもなります。
  • 栄養バランスの良い食事:
    女性ホルモンの材料となるたんぱく質、鉄、ビタミンB群などを意識しましょう。
  • 湯船に浸かる・リラックスタイムを作る:
    副交感神経を優位にするためには、リラックスする時間を意識的に取り入れることが大切です。

こんなときは医療機関へ相談を

以下のような場合は、ご自身での対処だけでなく、医療機関への相談をおすすめします。

  • 生活に支障をきたすほどの不調がある
  • 気分の落ち込みが長引いている
  • 急激な体調変化がある
  • 更年期かどうか不安に感じている

医療機関では、血液検査などを通じてホルモンの状態を確認しながら、必要に応じた治療法をご提案することが可能です。

まとめ

女性の体は、ホルモンバランスと自律神経の影響を強く受けています。
「年齢のせい」や「ただの疲れ」と思い込まず、体からのサインに耳を傾けることが健康への第一歩です。

不調が続くときは、無理をせず、医療機関に相談することを検討してみてください。
本記事が、心身のバランスを見直すきっかけになれば幸いです。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

ともクリニック浜松町について
浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
当院では、女性医師があなたの心に寄り添い、お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な診察を行っています。うつ病や不眠、PMSや更年期の悩み、自律神経失調症状など、メンタルヘルス不調でお困りでしたら、安心してご相談ください。

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