「夜、なかなか眠れない」「布団に入ってもついSNSを見てしまう」「気づけば深夜になっている」――そんな悩みを抱えていませんか。
近年、不眠の背景にSNSの使い方が大きく関係しているケースが増えています。SNSは便利で身近な存在ですが、使い方によっては睡眠の質を下げ、心身の不調を招く原因にもなり得ます。
本記事では、SNS依存と不眠がどのように悪循環を生むのか、その仕組みと、睡眠を取り戻すための具体的な整え方について医師が解説します。
1. SNS依存と不眠はなぜセットで起こりやすいのか
SNSと不眠には、いくつかの共通した要因があります。
① 寝る前のSNSが脳を覚醒させる
スマートフォンの画面から出るブルーライトは、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。その結果、眠気を感じにくくなり、寝つきが悪くなります。
さらにSNSの内容は、情報量が多く、感情を刺激しやすいため、脳が「休息モード」に切り替わりにくくなります。
② 不安や比較が眠りを妨げる
夜は心が敏感になりやすい時間帯です。
SNSで他人の近況や成功、楽しそうな様子を目にすると、無意識のうちに比較が起こり、不安や焦り、自己否定感が強まることがあります。
こうした感情は、考え事を増やし、眠れない状態を長引かせてしまいます。
2. 不眠がさらにSNS依存を強める悪循環
SNS依存と不眠は、一方がもう一方を悪化させる「悪循環」を作りやすい特徴があります。
眠れない
→ 時間をつぶすためにSNSを見る
→ 脳が刺激されてさらに眠れなくなる
→ 翌日疲れている
→ 夜になるとまた眠れずSNSを見る
このサイクルが続くと、睡眠不足が慢性化し、以下のような不調が現れやすくなります。
- 日中の強い眠気
- 集中力や判断力の低下
- イライラや気分の落ち込み
- 不安感の増加
- 意欲の低下
これらは、うつ病や不安障害、自律神経失調症のリスクを高める要因にもなります。
3. SNS依存による不眠のサイン
次のような状態が続いている場合、SNSが不眠の原因になっている可能性があります。
- 寝る直前までスマホを見ている
- 「あと少し」と思ってSNSをやめられない
- 夜中に目が覚めるとSNSをチェックしてしまう
- SNSを見ないと落ち着かない
- 睡眠時間が短く、日中の疲れが取れない
「自分は大丈夫」と思っていても、知らず知らずのうちに習慣化しているケースも多く見られます。
4. 睡眠を取り戻すための整え方
SNSを完全にやめる必要はありません。
大切なのは、夜の使い方を見直すことです。
① 就寝1時間前はSNSを見ない
まずは「寝る前1時間はスマホを見ない時間」を意識してみましょう。
その時間を、以下のような行動に置き換えるのがおすすめです。
- 音楽を聴く
- 本を読む
- ストレッチや深呼吸をする
- 温かい飲み物を飲む
脳をゆっくりクールダウンさせることが、眠りにつながります。
② スマホを寝室に持ち込まない
目覚まし代わりにスマホを使っている場合は、アナログ時計に変えるのも一つの方法です。
物理的に距離を取ることで、無意識にSNSを開く行動を防げます。
③ 不安を煽る投稿はミュートする
夜に見ると気分が落ち込むアカウントやニュースは、思い切ってミュート・フォロー解除を検討しましょう。
自分の心を守る行為は、決してわがままではありません。
④ 睡眠リズムを整える
毎日同じ時間に起き、朝に光を浴びることで体内時計が整いやすくなります。
休日も起床時間を大きくずらさないことが、不眠改善のポイントです。
5. 医療機関に相談すべきタイミング
次のような状態が2週間以上続く場合は、心療内科や精神科への相談を検討しましょう。
- 不眠が続き、日常生活に支障が出ている
- 夜になると強い不安や焦りを感じる
- SNSを見ると気分が大きく落ち込む
- 朝起きるのがつらく、仕事や家事がこなせない
医療機関では、生活習慣のアドバイス、カウンセリング、必要に応じた薬物療法など、症状に合わせたサポートが可能です。
まとめ
SNS依存と不眠は、互いに影響し合いながら悪循環を作りやすい関係にあります。
しかし、夜のSNS習慣を少し見直すだけでも、睡眠の質は改善し、心の安定につながります。
「眠れないのは自分の意志が弱いから」と責める必要はありません。
環境と習慣を整えることで、睡眠は取り戻せます。
つらさが続くときは、一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることも大切な選択肢です。
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