多忙な仕事をこなし、周囲からも「頼れる人」として信頼されているハイキャリアの女性たち。責任ある立場で活躍し、成果を上げ続けている一方で、「最近なんだか疲れが抜けない」「理由もなく気持ちが沈む」など、心や体の不調を感じている方も少なくありません。
本記事では、頑張る人ほど見過ごしやすい心のサインに着目しながら、ハイキャリア女性が自身のメンタルヘルスとどう向き合えばよいかを、医師の視点から解説します。
「限界まで頑張ってしまう」女性の特徴とは
ハイキャリア女性の多くは、責任感や達成意欲が非常に高く、目標に向かって努力し続ける力を持っています。これらは社会で活躍する上で大きな強みですが、自分の限界に気づきにくく、無理を重ねてしまいやすいという側面もあります。
自分に厳しく、弱音を吐けない
「もっと頑張らなきゃ」「これくらいで音を上げてはいけない」という思いが強く、自分の疲れや不調を無視してしまう傾向があります。責任あるポジションにいると、部下や後輩、家庭などへの影響を考えて「自分が倒れるわけにはいかない」と考えてしまい、つらくても助けを求められないこともあります。
不調を「気のせい」で片づけてしまう
夜中に何度も目が覚める、以前より涙もろくなった、人との会話が億劫に感じる──こうした心の変化があっても、「一時的なもの」「そのうち元に戻る」と考え、放置してしまうケースが少なくありません。しかしこれらは、心の疲れが限界に近づいているサインかもしれません。

心の疲れが教えてくれる“変化のサイン”
目に見えるケガや病気と違い、心の不調は気づきにくいものです。次のような状態が続いている場合は、心のエネルギーが低下している可能性があります。
- 何をしていても楽しめず、興味が湧かない
- 判断力や集中力が落ちている
- 気づくと深いため息をついている
- ちょっとしたことでイライラしたり、涙が出てくる
- 食欲が急に増えた、または全くなくなった
- 朝起きるのがつらく、仕事に向かうのが億劫
これらはうつ状態やストレス過多による心のSOSであり、決して「気のせい」ではありません。無理に我慢を重ねるのではなく、自分の状態を冷静に見つめることが大切です。
ハイキャリア女性に必要なセルフケアの視点
心の健康を保つためには、「頑張らないこと」や「自分を甘やかすこと」が悪いことではないと理解することが重要です。セルフケアは、健康に仕事を続けるための「前向きな選択」です。
自分を“いたわる”という視点を持つ
仕事や家庭で多くの責任を抱える女性こそ、「今日は少し手を抜こう」「何もしない時間も必要」といった柔軟な考え方を取り入れることが、心の安定につながります。
例えば次のようなことから始めてみてください。
- 一日の中で5〜10分、好きなことだけをする時間を確保する
- 「〜すべき」ではなく、「〜したいかどうか」で物事を考えてみる
- スケジュールに「休む時間」を予定として組み込む
- 忙しさを理由に我慢していた趣味や娯楽を再開する
「人に頼ること」もセルフケアのひとつ
つらさを感じたときに、信頼できる人に気持ちを話すことは、心の負担を軽くする効果があります。また、家族や職場の同僚など、身近な人に「最近少し疲れているかもしれない」と共有することで、自分を取り巻く環境が変わるきっかけにもなります。

医療機関を受診するタイミングとは?
「これくらいの不調で病院に行くのは大げさかも…」と感じてしまう方も多いかもしれません。しかし、心の不調は早期対応がとても重要です。
以下のような状態が2週間以上続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。
- 眠れない、あるいは過剰に眠ってしまう
- 食事がとれない、体重が急に増減している
- 漠然とした不安感が消えない
- 感情の起伏が激しく、仕事や日常生活に支障が出ている
医師による適切な評価とサポートを受けることで、症状の悪化を防ぎ、回復に向けた具体的な方法を見つけることができます。心療内科や精神科に限らず、まずはかかりつけの内科医などに相談することも良い一歩です。
まとめ
ハイキャリア女性が心の不調を感じたとき、それは「弱さ」ではなく、「これまで頑張ってきた証」でもあります。限界を超える前に気づくこと、立ち止まって自分をいたわること、必要であれば人や医療に頼ること──どれも大切な“心のケア”です。
自分を守ることは、周囲を守ることにもつながります。「まだ頑張れるから大丈夫」と思ったときこそ、少し立ち止まって、自分自身の声に耳を傾けてみてください。
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