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【医師監修】子育て中の孤独感・閉塞感にどう向き合う?メンタルケアの第一歩

子育て中の生活は、周囲からは「幸せな時間」と見られがちですが、実際には多くのストレスやプレッシャーを抱える時期でもあります。特に、家事・育児に追われながら一人で頑張っている方にとっては、孤独感や閉塞感を抱えることが少なくありません。
本記事では、子育て中の女性が感じやすい孤独感や閉塞感の背景と、それにどう向き合い、心のバランスを保っていくかについて、医師の視点も交えながらお伝えします。日々の不調が気になる方が、必要なタイミングで医療機関に相談できるきっかけとなれば幸いです。

子育て中に起こりやすい“見えにくいストレス”

子育ては24時間体制の責任を伴う大仕事です。子どもの年齢によって内容は変わるものの、授乳・おむつ替え・夜泣き・送り迎え・食事の準備・遊び相手など、日常のすべてに手がかかります。特に未就学児や乳児を抱える時期は、母親自身の休息や自由時間がほとんど取れず、「誰かとゆっくり話す」「自分のペースで過ごす」ことが難しくなります。
その結果、「誰にも頼れない」「ひとりだけ取り残されている」といった思いが心の奥で積み重なり、知らず知らずのうちにストレスが大きくなっていきます。

孤独感や閉塞感の正体とは?

孤独感とは、単に一人でいることではなく、「理解されていない」「共感してもらえない」と感じることによって生まれる心理的な状態です。夫や家族がいても、「自分の気持ちをわかってもらえていない」と感じることで、深い孤独を覚える方も少なくありません。
閉塞感は、自由がきかない状況が続く中で「この状態がずっと続くのでは」と感じてしまう不安や焦りから生まれます。コロナ禍で外出や交流が制限されたことにより、これらの感情がより強くなったという声も多く聞かれます。

身体に出てくるサインに気づくことが大切

孤独感や閉塞感は、心だけでなく身体にもさまざまな影響を及ぼします。睡眠の質の低下、頭痛や肩こり、胃腸の不調、食欲の変化などは、ストレスによって自律神経のバランスが乱れることで生じることがあります。
「なんとなく調子が悪い」「朝起きるのがつらい」といった症状が続いている場合は、心の疲れが原因になっていることも少なくありません。心と体はつながっているため、身体に出てくるサインを見逃さないことが、早めの対処につながります。

自分の感情に気づくことが第一歩

子育て中は、どうしても「自分より子どもが優先」になりがちです。「疲れた」「つらい」と感じても、それを言葉に出すことすらできず、心の中に押し込めてしまう方も多いでしょう。
しかし、自分の気持ちに気づき、それを認めることは心の健康にとってとても大切なステップです。「あ、いま疲れているな」「少し誰かに話を聞いてもらいたいな」と思えたとき、その気持ちを否定せず受け入れてみてください。そこから少しずつ、心が軽くなるきっかけが生まれます。

誰かに話すだけでも変化が生まれる

「相談」と聞くと、何か重大な悩みを抱えていないといけないと思ってしまう方もいます。しかし実際には、「なんとなく気分が晴れない」「最近よく眠れない」といった漠然とした違和感も、相談のきっかけになります。
医療機関や地域の子育て支援センター、保健センターなどには、子育て中の悩みに対応してくれる窓口があることもあります。話をするだけでも、気持ちが整理され、「自分だけじゃないんだ」と思えることが、心の回復につながることもあります。

受診をためらわないで

「こんなことで受診していいのかな」「育児の悩みで病院に行くのは大げさでは?」と感じている方もいるかもしれません。しかし、心や体の不調は、悪化する前に対応することが何よりも大切です。
医療機関では、精神的な不調に関しても幅広く対応しています。近年では、心療内科やメンタルヘルス外来に限らず、内科などでも相談を受けられるケースがあります。受診することで、必要に応じた治療や支援、情報提供を受けることができます。

自分を責めず、少しずつでも休める選択を

孤独感や閉塞感を抱えたままの状態が続くと、「自分がダメなんだ」「私は母親失格なのでは」と自分を責めてしまう方もいます。しかし、それは事実ではありません。むしろ、子育ての大変さをちゃんと感じられているからこそ、心が疲れてしまっているのです。
無理をせず、少しでも休める時間を見つけ、誰かに頼ることも選択肢に入れてください。「今日は簡単なごはんにしよう」「家事は明日に回そう」といった小さな工夫だけでも、心の負担は確実に軽くなります。

まとめ

子育て中に感じる孤独感や閉塞感は、多くの方が経験するごく自然な感情です。しかし、放っておくことで心身の不調へとつながる可能性もあります。
本記事では、子育て中の孤独感・閉塞感への向き合い方やメンタルケアの第一歩についてお伝えしました。大切なのは「自分の気持ちに気づくこと」、そして「誰かに話してみること」です。
気になる体や心の症状がある場合は、遠慮せず医療機関に相談してみてください。子育ての時間を少しでも穏やかに過ごせるよう、自分自身をいたわることを忘れないでください。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

ともクリニック浜松町について
浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
当院では、女性医師があなたの心に寄り添い、お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な診察を行っています。うつ病や不眠、PMSや更年期の悩み、自律神経失調症状など、メンタルヘルス不調でお困りでしたら、安心してご相談ください。

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