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ストレスと心の健康

【医師監修】カスハラを受けたあと眠れない…その症状、心のSOSかもしれません

カスタマーハラスメント(カスハラ)による精神的ストレスに悩む人が増えています。職場で理不尽な要求や暴言を受け、その経験が頭から離れず、夜になっても眠れない――そんなつらい思いを抱えていませんか。

「眠れない」という症状は、単なる疲れや気のせいではなく、心からのSOSのサインであることがあります。放っておくと不眠が続き、心身のバランスを崩してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

本記事では、カスハラが引き起こす心身への影響や不眠症状の特徴、セルフケアの方法、そして医療機関で受けられるサポートについて、医師による解説を交えてお伝えします。つらさを我慢せず、自分を守るために役立つ情報をお届けします。

カスハラが心身に与える影響とは

カスハラを受けると、誰でも強いストレスを感じます。これは「精神的な暴力」とも言えるため、身体にも様々な反応があらわれます。

ストレスが加わると、体は「交感神経」が過剰に働きます。交感神経は緊張や興奮を司る神経で、これが高まると心拍数が増え、呼吸が浅くなり、身体は休まらなくなります。この状態が続くと、眠ろうとしても脳や体が興奮しているため、眠りにくくなるのです。

また、精神的なストレスはうつ状態や不安症状を引き起こすこともあり、不眠を悪化させる要因となります。
身体的にも、頭痛や胃の不調、筋肉の緊張といった症状が出ることがあります。これらはすべてストレス反応の一部であり、放置すると慢性的な体調不良に繋がる恐れがあります。

ストレスイメージ

不眠症状の特徴と見分け方

不眠は一時的なものと慢性的なものがあります。カスハラによる不眠はストレスが強い期間に起こりやすいですが、長引くと慢性化することもあります。

不眠には主に以下のタイプがあります。

  • 入眠困難:布団に入ってもなかなか眠れない
  • 途中覚醒:夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 早朝覚醒:朝早くに目が覚めてしまい、その後眠れない

カスハラ後は特に「入眠困難」と「途中覚醒」が多くみられます。夜になっても心が落ち着かず、緊張や不安で何度も目が覚めてしまうためです。
こうした症状が続くと日中の疲労感や集中力の低下を招き、日常生活に支障が出ることもあります。

心のSOSに気づくためにできること

カスハラを受けたあと、「眠れない」「気分が落ち込む」「イライラする」などの症状は、心からのSOSであることがあります。自分の心身の状態を見つめることが大切です。

自分の状態をチェックするポイント

  • 夜眠れない状態が続いているか(1週間以上)
  • 日中に強い疲労感やだるさがあるか
  • 集中力や記憶力の低下を感じるか
  • イライラや不安、憂うつな気分が続いているか
  • 仕事や家事に支障をきたしているか

これらの症状が複数当てはまる場合は、ストレスによる心の不調が疑われます。

ストレスサインの見逃しを防ぐコツ

  • 日記やメモで自分の気持ちや体調の変化を記録する
  • 周囲の家族や友人に心配されることがないか意識する
  • 仕事や人間関係で無理をしていないか自己点検する

受診を検討すべきタイミング

  • 睡眠障害が1ヶ月以上続く場合
  • 気分の落ち込みや不安感が強くなり、日常生活に支障が出ている場合
  • 自殺念慮や絶望感がある場合は、すぐに医療機関に相談してください
セルフケアイメージ

眠れないときに試せるセルフケア法

まずは自分でできるケアから始めてみましょう。眠れないときのセルフケアは心身をリラックスさせることがポイントです。

リラックス法

  • 深呼吸:ゆっくりと鼻から息を吸い、口から吐き出す呼吸を数分繰り返す
  • 軽いストレッチ:肩や首、背中の筋肉をゆっくり伸ばして緊張をほぐす
  • ぬるめのお風呂に入る:就寝1〜2時間前にリラックス効果がある

睡眠環境の改善

  • 寝室は暗く静かな環境に整える
  • スマートフォンやパソコンは寝る1時間前には使わない
  • 寝具は自分に合った硬さや温度に調整する

生活リズムを整える

  • 毎日同じ時間に寝起きする習慣をつける
  • 昼寝は長くても20分程度にする
  • カフェインやアルコールの摂取は控えめに

これらのセルフケアで改善しない場合は、無理せず医療機関に相談することをおすすめします。

医療機関での相談と治療について

眠れない症状が長引く場合や日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関での相談が重要です。

診察で得られるサポート

  • 詳しい問診と必要に応じた検査で原因を調べる
  • 睡眠障害のタイプや心の状態を評価し、適切な治療方針を決定する

治療法の例

  • 薬物療法:短期間の睡眠薬や抗不安薬の処方が行われることがあります。医師の指示に従い正しく服用してください。
  • 心理的治療:認知行動療法(CBT)など、ストレスや不安に対処するための心理療法も効果的です。
  • 生活指導:生活習慣や睡眠環境の改善をサポートします。

相談先としての心療内科や精神科の役割

心療内科や精神科は心の不調を専門的に診療しています。カスハラなどのストレスによる症状でお悩みの方は、こうした医療機関での相談が安心です。

まとめ

カスハラを受けた後に眠れなくなる症状は、心からのSOSのサインである可能性があります。
ストレス反応として心身に様々な影響が出るため、自分の状態を丁寧に観察し、セルフケアを試みることが大切です。
しかし、症状が長引いたり日常生活に支障が出る場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
診察と適切な治療を受けることで、症状の改善や心身の健康回復につながります。

あなたの心と身体の健康を守るために、無理をせず一歩踏み出すことを応援しています。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

ともクリニック浜松町について
浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
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  • 休診日:木曜・日祝・最終週の水曜午後
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〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-5 浜松町営和ビル5F

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