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【医師監修】自己判断はリスク大!自律神経失調症と誤解されやすい疾患一覧

慢性的な体調不良を感じ、「自律神経失調症かもしれない」と自己判断される方が増えています。しかし、自律神経失調症は多様な症状があり、他の疾患と症状が似ているため、正しい診断を受けることが非常に重要です。

自己判断や放置によって治療が遅れると、症状が悪化するリスクがあります。そこで本記事では、医師による解説をもとに、自律神経失調症の特徴と誤解されやすい疾患について詳しく紹介し、適切な受診行動の大切さをお伝えします。

自律神経失調症とは

自律神経は、心臓の鼓動や呼吸、血圧、消化など、私たちが意識しなくても体を調整する重要な役割を担っています。自律神経は交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立ち、互いにバランスをとりながら体の機能を調整しています。

自律神経失調症は、このバランスが乱れた状態を指します。ストレスや疲労、ホルモンの変化などがきっかけとなり、体調不良や精神的な不安定さを引き起こします。症状は多岐にわたり、頭痛、めまい、動悸、息切れ、疲労感、不眠、イライラ感などがよく見られます。

しかし、自律神経失調症は診断基準がはっきりしていないため、症状が似ている他の疾患と区別することが難しい場合があります。そのため、自己判断で「自律神経失調症」と決めつけることは避け、医療機関での適切な診断が不可欠です。

自律神経失調症と似た症状をもつ疾患一覧

ここでは、自律神経失調症と症状が似ているため、誤解されやすい代表的な疾患について詳しく説明します。

1. 甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病)

甲状腺は新陳代謝やエネルギー代謝を調節するホルモンを分泌しています。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、動悸、発汗過多、手の震え、不安感などの症状が出ます。これらは自律神経失調症の症状と非常に似ています。

一方、橋本病は甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、疲労感、寒気、むくみ、便秘、抑うつ気分などが現れます。これもまた自律神経失調症の症状と重なる部分があります。

これらは血液検査で甲状腺ホルモンや抗体の値を調べることで診断可能です。適切な治療を受けることで症状は改善します。

2. 糖尿病

糖尿病は血糖コントロールがうまくいかないことで、疲労感、頻尿、のどの渇き、体重減少などの症状を伴います。神経障害が進むと手足のしびれや消化不良、自律神経症状も出ることがあります。

初期段階の症状は自律神経失調症に似ているため、自己判断は危険です。血液検査で血糖値を測定し、必要に応じて治療を開始します。

3. 更年期障害

女性のホルモンバランスが大きく変化する更年期には、自律神経の乱れが起こりやすく、ほてり、発汗、不眠、イライラ、疲労感などの症状が出ます。これらの症状は自律神経失調症に類似しています。

更年期障害は血液検査や症状の経過から診断され、ホルモン補充療法などで症状を緩和することができます。

4. うつ病・不安障害

精神的なストレスや心の病気は身体にも様々な症状を及ぼします。うつ病や不安障害では、疲労感、眠れない、動悸、めまい、集中力の低下といった症状が現れ、自律神経失調症と見分けがつきにくいことがあります。

精神科や心療内科での診断が必要で、適切な治療により症状の改善が期待できます。

5. 心臓疾患(不整脈など)

心臓のリズムが乱れる不整脈は動悸や息切れ、倦怠感を引き起こし、自律神経失調症と間違われることがあります。特に動悸が強く頻繁に起こる場合は心電図検査を受けることが重要です。

6. 消化器疾患(胃炎、過敏性腸症候群)

胃の不快感、腹痛、下痢や便秘は自律神経の乱れが影響していますが、消化器疾患の可能性もあります。胃カメラ検査や便検査で原因を特定し、適切な治療が必要です。

7. 貧血や慢性疲労症候群

貧血では酸素不足による疲労感やめまい、動悸が生じます。慢性疲労症候群は長期間にわたる強い疲労や倦怠感が特徴で、これらも自律神経失調症と混同されがちです。血液検査や詳細な診察で診断を受けましょう。

自己判断のリスクと適切な受診行動

これらの疾患は症状が似ているため、自己判断で「自律神経失調症」と決めてしまうことは非常に危険です。誤った治療や放置により症状が悪化したり、重篤な状態に進行することもあります。

医療機関では問診や身体検査、血液検査、画像検査などを組み合わせて診断を行います。適切な診断がなされることで、その患者さんに合った治療が可能となり、症状の改善に繋がります。

慢性的な不調を感じたら、まずは早めに医療機関を受診し、専門家の診断を受けることが重要です。

日常生活でできるセルフチェックポイント

自己判断を避け、医療機関受診の目安となるポイントをまとめました。

  • 症状が2週間以上続いている
  • 疲労感やめまいが強く日常生活に支障がある
  • 頻繁に動悸や息切れが起こる
  • 体重の急激な増減や発熱を伴う
  • 気分の落ち込みや不安感が強い

これらに当てはまる場合は、我慢せず早めに受診しましょう。

まとめ

自律神経失調症は多様な症状を伴い、他の多くの疾患と似ているため自己判断はリスクが大きいです。

医師による正確な診断と適切な治療により、症状の原因を特定し、最適なケアを受けることが可能です。慢性的な体調不良に悩んだら、一人で悩まず、早めに医療機関を受診してください。

正しい理解と適切な受診行動で、健康回復への第一歩を踏み出しましょう。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

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浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
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