梅雨時期に気分が落ち込むのはなぜ?
梅雨の季節になると、なんとなく気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりすることはありませんか? これは単なる「気のせい」ではなく、実際に気圧の変化が私たちの体と心に影響を与えている可能性があります。
気圧の変化がもたらす体と心への影響
気圧が下がると、私たちの体は次のような影響を受けることがあります。
〇 自律神経の乱れ:
気圧が低下すると、副交感神経が優位になり、だるさや倦怠感を感じやすくなります。
〇 セロトニンの分泌低下:
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神の安定に関わる神経伝達物質です。気圧の変化によって分泌が減ると、気分が落ち込みやすくなります。
〇 血流の低下:
気圧が低くなることで血流が悪くなり、頭痛や肩こり、冷えなどの症状が出やすくなります。
梅雨時期のうつ症状とは?
気圧の変化による影響は、人によって程度が異なりますが、次のような症状が見られることがあります。
- 気分の落ち込みや不安感
- 集中力の低下や倦怠感
- イライラしやすくなる
- 不眠や過眠
- 食欲の変化(食べすぎ・食欲不振)
これらの症状が続く場合、いわゆる「気象うつ」の可能性があります。
気圧変化によるうつ症状を軽減する方法
梅雨時期の気圧の変化に負けず、心身の健康を保つためには、以下の対策が有効です。
1. 生活リズムを整える
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- 早寝早起きを心がける
- 毎朝同じ時間に起きることで、体内リズムを整える
- 朝日を浴びることでセロトニンの分泌を促す
2. 適度な運動を取り入れる
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- 軽いストレッチやヨガで血流を促進する
- ウォーキングなどの有酸素運動を習慣化する
3. 食生活を見直す
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- セロトニンの原料となるトリプトファンを含む食品(バナナ、ナッツ、大豆製品など)を摂取する
- ビタミンB群や鉄分を意識的に取ることで、脳の働きをサポートする
4. リラックスする時間を持つ
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- アロマやハーブティーを活用する
- 入浴を習慣にしてリラックスする
5. 天気の変化を把握する
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- 気象情報アプリを活用し、気圧の変化を事前に把握する
- 低気圧が来る前に対策を取ることで、症状を軽減できることもある
こんなときは医療機関に相談を
気圧の変化による不調は、生活習慣を改善することで軽減できることが多いですが、 以下のような状態が続く場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。
- 気分の落ち込みが2週間以上続く
- 日常生活に支障をきたしている
- 極度の不安や焦燥感を感じる
梅雨の時期は、気圧の変化により心身の不調が出やすい時期ですが、 日々の生活習慣を整えることで、少しでも快適に過ごすことができます。 気になる症状があれば、無理せず心療内科や精神科で相談してみましょう。
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