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【医師監修】更年期の夫婦関係とうつ症状、改善に向けた対策とは

更年期は、女性にとって身体的、心理的、社会的な変化が訪れる重要な時期です。ホルモンバランスの乱れが原因で、さまざまな身体的な症状が現れるだけでなく、心の状態にも大きな影響を与えることがあります。更年期に伴ううつ症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、特に夫婦関係にも深刻な影響を与えることがあります。
本コラムでは、更年期における夫婦関係の変化と、それに伴ううつ症状について考察し、乗り越えるための方法を提案します。

1.更年期と夫婦関係の変化

更年期を迎える女性は、ホルモン分泌の減少や身体的な不調(ホットフラッシュや不眠、頭痛など)に加え、精神的にも不安定になりやすい時期です。感情の浮き沈みが激しくなることで、普段は気にならないような些細なことでも過剰に反応してしまったり、夫婦間での対話が減少したりすることがあります。これが、夫婦関係の変化を引き起こす原因となります。

例えば、ホルモンの変動によって感情のコントロールが難しくなり、些細な言動や行動に過剰に反応してしまうことがあります。この結果、パートナーとのコミュニケーションが悪化し、誤解が生まれやすくなります。さらに、疲れや不安感、焦燥感が増す中で、パートナーのサポートを求める気持ちが強くなる一方で、相手がその変化にうまく対応できず、距離が生まれてしまうこともあります。

2.更年期うつと夫婦関係の悪化

更年期において、うつ症状が顕著になることがあります。気分の落ち込みや不安、無力感、興味や喜びの喪失など、うつ病に似た症状が現れることが多いです。これらの症状は、夫婦関係においても大きな影響を及ぼします。パートナーとの対話が減少し、感情的に疎遠になり、互いに理解し合えなくなることがしばしばあります。

更年期うつが夫婦関係に与える影響は、以下のような形で現れることが考えられます。

〇コミュニケーションの減少
更年期に入ると、女性は心身ともに疲れやすくなるため、対話するエネルギーがなくなることがあります。その結果、パートナーとの会話が減り、関係が疎遠になりがちです。
〇情緒的な不安定さ
更年期うつの症状として感情の不安定さが現れることが多く、些細なことでもイライラしたり、涙が止まらなくなったりすることがあります。これが夫婦間での衝突を引き起こし、関係が悪化する原因となります。
〇性的な欲求の減少
更年期に入ると、ホルモンバランスの変化が原因で性的欲求が減少することが多いです。パートナーがこの変化に理解を示さない場合、性に対する不安や自信喪失が原因で、夫婦間に亀裂が生じることもあります。
〇孤独感と無力感
更年期に入ると、自分自身の変化に戸惑い、不安感が強くなることがあります。その結果、夫婦間で支え合うことが難しくなり、孤独感や無力感が強まり、夫婦関係がさらに悪化します。

3.夫婦関係の改善に向けて

更年期に伴ううつ症状や夫婦関係の悪化は、適切に対処することで改善することが可能です。夫婦間でのサポート体制を強化し、より良い関係を築くために以下の方法が有効です。

  • コミュニケーションを改善する

    お互いの感情や悩みを共有することは、夫婦関係を改善するために重要です。更年期における体調や心理的な変化についてオープンに話すことで、パートナーに理解を求めることができます。
    また、日常の些細なことでもお互いに感謝の気持ちを伝え合うことが、関係を円滑に保つ鍵です。
  • 夫婦の時間を大切にする

    忙しい日常の中で、夫婦で過ごす時間を意識的に作ることが重要です。趣味を共有したり、一緒にリラックスできる時間を持つことで、関係が深まります。リラックスした環境でお互いに支え合うことが、心のケアに繋がります。
  • 専門的なサポートを受ける

    更年期うつが夫婦関係に深刻な影響を与えている場合、心療内科やカウンセリングを受けることが効果的です。心理療法や薬物療法によって、うつ症状を和らげることができ、夫婦間の問題も解決しやすくなります。
  • お互いにサポートし合う

    パートナーとして、お互いに理解し支え合うことが非常に大切です。更年期の変化を理解し合い、サポートする姿勢が夫婦関係を深め、ストレスを軽減することができます。パートナーが支えてくれることで、更年期うつの症状も和らげることができます。

4.まとめ

更年期は、女性にとって身体的・心理的に大きな変化の時期であり、その影響は夫婦関係にも現れることがあります。更年期うつが原因で、コミュニケーションが減少し、感情的に疎遠になることがありますが、適切なサポートと対話を通じて、夫婦関係は改善することができます。夫婦で支え合い、理解し合いながら、この変化を乗り越えていくことが重要です。
更年期を迎える女性が心身ともに健康を保ちながら、充実した夫婦関係を築いていけるよう、専門的なサポートを受けることも一つの選択肢です。

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>更年期うつとは?早期発見のためのチェックポイント

福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。

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