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睡眠の悩み

【医師監修】部下よりも自分が危ない?働きすぎる管理職が抱える“隠れ不眠”

「最近、夜中に何度も目が覚める」「ぐっすり眠ったはずなのに疲れが取れない」――そんなお悩みを抱えていませんか?それは、働きすぎによる“隠れ不眠”かもしれません。
特に管理職の立場にある方は、責任やストレスが多く、睡眠の悩みを自覚しづらい傾向があります。「まだまだ頑張らないと」と、自分の健康を後回しにしてしまうことも少なくありません。
本記事では、医師による解説のもと、働きすぎの管理職に多く見られる“隠れ不眠”の実態と、その背景、対処法についてわかりやすくご紹介します。ご自身や身近な方の睡眠の質を見直すきっかけとして、ぜひご一読ください。

働きすぎる管理職に多い“隠れ不眠”とは?

“隠れ不眠”とは、本人が「眠れている」と感じていても、実際には睡眠の質が低下しており、心身に影響が出ている状態を指します。医学的には「不眠症」とまでは診断されなくても、健康上のリスクを伴うことがあるため、注意が必要です。

不眠のイメージ

特に管理職の方は以下のような特徴から、隠れ不眠になりやすい傾向があります。

  • 仕事のプレッシャーが大きく、心が常に緊張状態にある
  • 早朝出勤・深夜の対応などで生活リズムが不規則
  • 部下や家族の前では疲れや不調を見せにくい
  • 睡眠時間が短くても「問題ない」と思い込みやすい

これらの状態が続くと、知らず知らずのうちに慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下を招き、日中のパフォーマンス低下、疲労の蓄積、さらには生活習慣病のリスクにもつながってしまいます。

隠れ不眠のサインを見逃さないで

以下のような症状に心当たりがある場合、隠れ不眠の可能性があります。

  • 朝、起きてもスッキリしない
  • 寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚める
  • 夢ばかり見て熟睡感がない
  • 午後になると強い眠気がくる
  • 休日に長時間寝てしまう
  • イライラしやすく、集中力が続かない
  • 肩こりや頭痛、胃の不快感が慢性的にある

これらは身体が「きちんと休めていない」サインです。不眠というと「一睡もできない」というイメージを持つ方が多いのですが、隠れ不眠の場合、「眠れている気がする」けれど「疲れが取れない」ことが特徴です。

なぜ管理職に“隠れ不眠”が多いのか?

1. 責任の重さとプレッシャー

組織をまとめる立場にある管理職は、日々の意思決定や部下のマネジメントに加え、上司や取引先との調整など、多くのプレッシャーを受けやすい環境にあります。この心理的なストレスが脳を覚醒させ、就寝時にもリラックスできない状態が続きます。

2. ワークライフバランスの乱れ

「部下が帰ってからが自分の仕事」といったように、長時間労働が常態化しやすい管理職。帰宅後もスマートフォンやパソコンで業務連絡が入り、寝る直前まで仕事モードが抜けない方も多いのではないでしょうか。

3. 年齢による睡眠の変化

30代後半〜60代の方は、加齢によって睡眠が浅くなったり、途中で目が覚めやすくなったりする傾向があります。こうした加齢による睡眠の変化に、仕事のストレスが重なると、“隠れ不眠”がより深刻になるケースも見られます。

加齢のイメージ

“隠れ不眠”がもたらすリスクとは?

睡眠の質が低下すると、心身にさまざまな悪影響が及びます。医師によると、以下のようなリスクが指摘されています。

生活習慣病のリスク増加

睡眠不足は高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす要因となります。また、免疫力の低下も招くため、感染症にもかかりやすくなります。

メンタルヘルスへの影響

不眠状態が続くと、うつ病や不安障害のリスクも高まります。特に責任ある立場にある方ほど「自分が頑張らないと」と無理をしがちですが、それが心の限界を見逃す原因にもなります。

判断力・集中力の低下

十分な睡眠がとれていないと、判断ミスや集中力の低下につながり、業務上のトラブルを引き起こす可能性も。ミスをしてしまった自分を責めることで、さらにストレスが強まり、不眠が悪化するという悪循環に陥ることもあります。

睡眠の質を改善するためのセルフケア

“隠れ不眠”を改善するには、生活習慣を見直すことが第一歩です。以下のようなセルフケアを試してみましょう。

睡眠前のルーティンを整える

毎晩同じ時間に入浴し、照明を暗くしてリラックスする時間をつくることで、自然と眠りやすくなります。寝る直前までスマホやパソコンを見る習慣は、睡眠の質を下げる原因になります。

就寝前の思考を手放す

「明日の会議がうまくいくか心配」「メールの返信を忘れていないか」など、考えが止まらないときは、ノートに書き出すなどして、頭の中を“空”にする習慣も有効です。

カフェイン・アルコールの摂取に注意

夕方以降のコーヒーやお酒は、眠りを浅くしてしまう原因になることがあります。特にアルコールは一時的に眠気を感じさせますが、夜中に覚醒しやすくなるため注意が必要です。

病院を受診する目安とは?

セルフケアを行っても不眠の状態が2週間以上続く、日中の生活に支障が出ていると感じる場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
「眠れない」という訴えだけでなく、「疲れが取れない」「いつも体がだるい」といった症状も、医師にとって重要な手がかりとなります。
また、不眠の背後に身体的な病気(睡眠時無呼吸症候群、うつ病、甲状腺疾患など)が隠れていることもあるため、自己判断せず、医療機関での早めの対応が大切です。

まとめ

管理職という立場上、周囲に弱音を吐けず、「眠れないくらいで」とがまんしてしまいがちな方も多いかもしれません。しかし、睡眠は健康の土台です。見えない不調を放っておくことが、将来的な病気やパフォーマンス低下につながる可能性もあります。
本記事でご紹介したように、“隠れ不眠”には日々の生活の見直しと、必要に応じた医療機関での相談が効果的です。
「もしかして自分も」と思ったときこそ、立ち止まって心と体の声に耳を傾けてみてください。睡眠の質を見直すことは、自分自身だけでなく、チームや家族を守る第一歩でもあります。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

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浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
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