夜、布団に入ってからもスマホを見続けてしまい、気づけば深夜になっている。
「今日は早く寝ようと思っていたのに」「やめたいのにやめられない」——そんな夜が続いていませんか。
このような状態は、単なる生活習慣の乱れや意志の問題ではなく、情報過多による心の疲労が背景にあることが少なくありません。現代社会では、スマホを通じて常に大量の情報に触れる環境にあり、知らず知らずのうちに心が休めなくなっているのです。
本記事では、なぜ夜にスマホを手放せなくなるのか、その心理的・身体的な仕組みと、心の疲れを和らげるための具体的な対策について医師が解説します。
なぜ夜ほどスマホを見てしまうのか
一日の疲れが一気に表に出る時間帯
夜は、仕事や家事、育児など一日の緊張が解ける時間帯です。その反動として、心にたまっていた疲れや不安が表に出やすくなります。 スマホを見ることで一時的に気が紛れたり、安心感を得たりするため、つい手が伸びてしまうのです。
脳が「刺激」を求めてしまう
疲れているときほど、脳は強い刺激を求めやすくなります。SNSの更新、ニュース、動画は次々と新しい情報が流れ、脳を覚醒させます。その結果、「もう少しだけ」が続き、やめ時を見失ってしまいます。
情報過多が心に与える影響
常に緊張状態が続く
スマホから入ってくる情報の多くは、仕事の連絡、他人の近況、社会的なニュースなど、心を刺激するものです。これらを受け取るたびに、自律神経のうち交感神経(緊張・活動の神経)が優位になります。
本来、夜は副交感神経(休息・回復の神経)が働く時間ですが、情報を浴び続けることで切り替えがうまくいかなくなり、心身が休まらなくなります。
比較と不安が増えやすい
SNSでは、他人の充実した一面だけが目に入りやすくなります。夜は感情が不安定になりやすいため、
「自分は何もできていない」
「取り残されている気がする」
といった思いが強まり、心の疲労がさらに深まることがあります。
スマホ依存と不眠の悪循環
夜にスマホを見続けることで、次のような悪循環が生まれます。
スマホを見る
↓
脳が覚醒し、眠気が遠のく
↓
寝不足になる
↓
翌日さらに疲れる
↓
夜、気力がなくなり、またスマホに頼る
この状態が続くと、不眠、気分の落ち込み、イライラ、不安感といった症状が現れやすくなります。
心の疲労がたまっているサイン
次のような状態が続いている場合、心が休めていない可能性があります。
- 夜になるとスマホを見ずにいられない
- 寝ても疲れが取れない
- 些細なことでイライラする
- 不安や焦りが強くなる
- 集中力が続かない
これらは、心と体からの「少し休んでほしい」というサインです。
今日からできる心のケア
① 寝る前に“情報を遮断する時間”をつくる
就寝の30分〜1時間前は、スマホを見ない時間を意識してみましょう。代わりに、照明を落としてゆっくり過ごすことで、脳が休息モードに切り替わりやすくなります。
② スマホを物理的に遠ざける
寝室にスマホを持ち込まない、充電場所を別の部屋にするなど、物理的な距離を取ることも有効です。
③ 自分を責めない
「またスマホを見てしまった」と自分を責める必要はありません。それは、心が疲れている証拠でもあります。責めるよりも、「今は休息が必要なんだ」と受け止めてあげましょう。
医療機関に相談するタイミング
次のような状態が2週間以上続く場合は、心療内科への相談を検討してください。
- 不眠や過眠が続いている
- 気分の落ち込みや不安が強い
- 日常生活や仕事に支障が出ている
- 何をしても回復しない疲労感がある
専門家に相談することで、生活習慣の見直しや必要な治療を受けることができます。
まとめ
スマホを手放せない夜が続く背景には、情報過多による心の疲労があります。それは現代社会で誰にでも起こり得る状態であり、決して特別なことではありません。
大切なのは、心が発しているサインに気づき、少し立ち止まることです。つらさが続くときは、一人で抱え込まず、専門家のサポートを活用してください。
心と体を休ませることは、明日を穏やかに過ごすための大切な一歩です。
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