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【医師監修】「眠れない」「気分が沈む」は夜勤の影響かも?夜勤と心の健康の関係

夜勤を続けているなかで、「寝つきが悪い」「夜に寝ても疲れが取れない」「最近、気分が沈みがち」と感じている方はいませんか?
医療・介護・警備・運送業など、夜勤を含む勤務に従事する方は、日中とは異なる環境のなかで働き続けています。特に夜勤は、体内リズムの乱れや睡眠の質の低下を引き起こしやすく、心の健康にも大きな影響を与えることがあります。
本記事では、夜勤が心と体に与える影響について丁寧に解説し、不調を感じたときの対処法や受診の目安についてご紹介します。

夜勤が体と心に及ぼす負担とは?

私たちの体には「体内時計(サーカディアンリズム)」が備わっており、日中は活動、夜間は休息に適した状態になるよう自然と調整されています。ところが、夜勤ではこのリズムが逆転してしまうため、さまざまな不調が起こりやすくなります。

◆ 夜勤によって起こりやすい身体の変化

  • 睡眠の質の低下:勤務明けに眠っても熟睡できない、途中で目が覚める
  • 胃腸の不調:夜間の食事が原因で胃もたれや食欲不振
  • ホルモンバランスの乱れ:女性では月経不順やPMSの悪化がみられることも
  • 慢性的な疲労感・集中力の低下

これらの身体症状は、しばしば「一時的な疲れ」として見過ごされがちですが、蓄積すると精神面にも大きく影響してきます。

夜勤のイメージ

夜勤で「眠れない・気分が沈む」状態が続く理由

夜勤に従事している方のなかには、「眠っているのに疲れが取れない」「何となく気持ちが晴れない」といった状態に悩む方が少なくありません。以下のような要因が心の不調につながると考えられています。

【1】太陽光を浴びる機会の減少

日光を浴びることで分泌されるセロトニンは、心の安定に関わる重要な神経伝達物質です。夜勤勤務が続くと、この分泌が不足し、気分が落ち込みやすくなるとされています。

【2】生活リズムの崩れ

日中にしっかり休んだつもりでも、体内時計がリセットされず、深部体温やホルモン分泌とのズレが蓄積。結果として、入眠困難・中途覚醒・起床時のだるさなどの睡眠障害が起こりやすくなります。

【3】孤独感・社会的孤立

夜勤によって家族や友人との時間が減ると、「自分だけ別の生活をしている」と感じやすくなります。これが孤立感や疎外感につながり、精神的ストレスを増大させることもあります。

生活リズムの乱れ

もしかしてうつ状態?こんな症状が続くときは要注意

夜勤による影響で、以下のような症状が2週間以上続く場合は、うつ状態や適応障害など、心の病気が隠れている可能性もあります。

  • 寝つきが悪く、眠っても疲れが取れない
  • 以前よりも気分が落ち込み、やる気が出ない
  • 仕事中に集中できない、注意が散漫になる
  • 食欲が落ちた/逆に過食気味になった
  • 動悸、頭痛、胃の不快感などの身体的な不調がある

これらはすべて、「心の疲れ」から生じる身体症状の一例です。無理をして頑張り続けるよりも、心身のサインとして早めに気づき、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。

夜勤による不調を放っておかないために

夜勤が原因と考えられる不調がある場合には、まず心療内科やメンタルヘルスを扱う内科・総合診療科を受診してみましょう。初めての受診では、次のように伝えるとスムーズです。

  • 「夜勤を続けてから眠れなくなった」
  • 「夜勤明けでもだるさが抜けない」
  • 「最近、気分が沈んで仕事に集中できない」

医師は勤務形態や生活リズムも含めて体調を総合的に評価し、必要に応じた治療やアドバイスを行います。

相談のイメージ

夜勤勤務者ができるセルフケアのポイント

夜勤をやめることが難しい場合でも、日常生活の工夫によって症状の軽減を図ることは可能です。医療機関でも以下のような方法が推奨されています。

◆ 睡眠の質を高める

  • 昼間の睡眠環境を整える(遮光カーテン、耳栓、アイマスクなど)
  • 寝る前のスマートフォンやカフェインは控える
  • 睡眠時間が短くても、一定のリズムを意識する

◆ 太陽の光を浴びる

  • 夜勤明けに15分程度でも朝日を浴びることで、体内時計のリセットを促す
  • 日光を浴びることでセロトニン分泌が促進され、気分が安定しやすくなる

◆ 栄養バランスの良い食事

  • 夜間の食事は消化に優しいものを中心に
  • 朝食をきちんと摂る習慣をつける

◆ ストレスをため込まない

  • 職場の仲間や家族とこまめに会話を
  • 医療機関や産業医、カウンセラーなど、信頼できる相談相手を持つ

まとめ

夜勤は、体内時計を乱しやすく、睡眠の質や気分の安定に影響を与える働き方です。
「眠れない」「気分が沈む」「体が重い」などのサインが現れたとき、それは単なる疲労ではなく、心と体のバランスが崩れている兆しかもしれません。
夜勤が必要な仕事に就いている方こそ、自分の健康状態を振り返り、必要なケアを受けることが大切です。心と体の声に耳を傾け、つらいときは遠慮せず、医療機関に相談してみてください。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

ともクリニック浜松町について
浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
当院では、女性医師があなたの心に寄り添い、お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な診察を行っています。うつ病や不眠、PMSや更年期の悩み、自律神経失調症状など、メンタルヘルス不調でお困りでしたら、安心してご相談ください。

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