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ストレスと心の健康

【医師監修】「弱音を吐けない」女性管理職のためのメンタルセルフチェック

女性の社会進出が進む中で、管理職として働く女性も年々増えています。しかしその一方で、「誰にも弱音を吐けない」「常に頑張り続けなければならない」といったプレッシャーを抱え、心身の不調を感じながらも自分を後回しにしてしまう方も少なくありません。

本記事では、女性管理職が抱えやすいストレスの特徴や、心の不調に早めに気づくためのメンタルセルフチェックについて解説します。自分の状態を正しく理解し、必要に応じて適切なサポートを受けることが、長く健やかに働き続けるための第一歩です。

女性管理職に特有のストレスと「弱音を吐けない」心理

責任のある立場として日々業務に取り組む女性管理職は、さまざまな立場との板挟みに悩みやすい傾向があります。上層部の方針と現場の声の調整、部下の育成やトラブル対応、自身の成果への期待など、プレッシャーは多岐にわたります。

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さらに、女性ならではの悩みとして、「感情的と思われたくない」「甘えていると思われたくない」といった意識から、本来であれば誰かに打ち明けるべきストレスを抱え込んでしまう方も少なくありません。管理職という立場上、「誰かに相談する」「頼る」といった行動が取りにくくなってしまい、「弱音を吐くこと=自分の評価を下げること」と感じてしまうケースもあるのです。

このような状況が続くと、心身に負担がかかり続け、不調のサインに気づきにくくなってしまいます。

自分の「限界」に気づくために──メンタルセルフチェック

心の不調は、はじめのうちはとてもささいな変化として現れます。そのため「まだ大丈夫」「気のせいかも」と見過ごされがちです。以下は、医師の視点から、日常で注意したい主なサインまとめました。複数あてはまる場合は、心が疲れているサインかもしれません。

  • 疲れが取れず、朝起きるのがつらい
  • 小さなことでイライラしやすくなった
  • 仕事に集中できず、ミスが増えたと感じる
  • 寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝早く起きてしまう
  • 食欲が落ちた、または過食気味になった
  • 以前楽しめていたことに興味が持てなくなった
  • 人と話すのが面倒になり、孤立感を感じる
  • 「自分だけ頑張っている」と感じることが増えた

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このような状態が1〜2週間以上続く場合、心のエネルギーが低下している可能性があります。「ただの疲れ」だと決めつけず、自分の心の状態を丁寧に見つめ直すことが大切です。

なぜ「弱音を吐けない」ことが問題になるのか

「弱音を吐かない」「頑張り続ける」ことは、一見すると強さの象徴のように思えるかもしれません。しかし、それが過剰になると、ストレスや疲労が心身に蓄積し、やがて大きな不調として表面化してしまいます。

こうした状態が長期間続いた場合、うつ病や適応障害、不安障害などの精神的疾患につながるリスクもあるとされています。心のエネルギーがすり減ると、自分ではその異変に気づきにくくなり、「もっと頑張らなければ」と無理を重ねてしまうのです。

また、身体面にも影響が出ることがあります。例えば、自律神経の乱れによる頭痛やめまい、動悸、消化不良など、いわゆる「不定愁訴」と呼ばれる症状が現れることもあります。これらのサインは、心の状態と密接に関係していることが多く、単なる身体の不調と捉えてしまうと根本的な回復が遅れてしまうことがあります。

メンタルケアのすすめ

心や体の不調を感じたとき、まずは「誰かに話す」「相談する」ことが回復への第一歩になります。しかし、職場ではなかなか打ち明けられないという方も多いでしょう。

そういった場合は、医療機関で相談するという選択肢を持っていただくことをおすすめします。症状に対して適切な評価を行い、必要に応じてカウンセリングやお薬、休養のアドバイスなどを行うことができます。

特に、症状が軽度のうちに受診することで、早期回復につながりやすくなると言われています。「まだ病院に行くほどでは…」と思っていても、気軽に話せる場所として、心療内科や精神科を活用していただければと思います。

セルフケアと日常でできる工夫

日常生活の中でできるセルフケアも大切です。心の疲れを少しでもやわらげるために、以下のような方法を取り入れてみましょう。

  • 意識的に休む時間を取る → 仕事を「終わらせる」ことより、「区切る」ことを意識する
  • 好きなことに没頭する時間を持つ → 趣味やリラックスできる音楽、読書など、自分の心が落ち着くことを大切に
  • 信頼できる人に話をする → 同僚、家族、友人、またはカウンセラーなど「安心して話せる相手」を見つける
  • 「完璧でなくてもいい」と考える習慣を持つ → 自分に対する評価を少しだけ緩めることも、長く働き続けるための知恵です

また、職場環境に少しでも変化を起こせるなら、「相談しやすい空気づくり」や「サポートし合える関係性」を意識するのも有効です。1人で背負い込まなくてもよい環境を、少しずつでも作っていけると理想的です。

まとめ

女性管理職としての立場を全うしながらも、「弱音を吐けない」「休むことに罪悪感がある」と感じてしまう方は決して少なくありません。しかし、頑張り続けるには、心と体が健やかであることが前提です。

本記事で紹介したセルフチェックや日常のセルフケアを通じて、まずは自分自身の状態に目を向けることから始めてみてください。そして必要に応じて、医療機関に相談することも選択肢のひとつです。自分をいたわることは、決して「甘え」ではなく、責任ある立場を守り続けるための大切な行動です。
ひとりで抱え込まず、あなたらしい働き方を続けていくための第一歩を踏み出していただけたらと思います。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。 医学博士、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医

ともクリニック浜松町について
浜松町駅・大門駅すぐの心療内科・精神科。
当院では、女性医師があなたの心に寄り添い、お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な診察を行っています。うつ病や不眠、PMSや更年期の悩み、自律神経失調症状など、メンタルヘルス不調でお困りでしたら、安心してご相談ください。

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