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【医師監修】医師が解説!更年期とうつ症状の関係とは?

更年期は、女性の心身に大きな変化が訪れる時期です。この変化に伴い、「気分が沈む」「何もやる気が起きない」といったうつ症状を経験する人も少なくありません。しかし、その症状が更年期特有のものなのか、それとも別の原因によるものなのか、判断が難しい場合もあります。この記事では、更年期と心の不調の関係や、症状を和らげるための対処法を詳しく解説します。

更年期と心の不調の関係

更年期は、卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少する時期です。このホルモンバランスの変化が、自律神経や脳内の神経伝達物質に影響を与え、身体的な症状だけでなく心の不調を引き起こすことがあります。

特に次のような心の症状が現れることがあります:

〇気分の落ち込みや憂うつ感
〇イライラや怒りっぽさ
〇不安感や孤独感
〇集中力の低下
〇睡眠障害(不眠や過眠)

これらの症状が続くと、生活の質が低下し、さらに悪循環に陥る可能性があります。

更年期のうつ症状が現れる要因

更年期にうつ症状が現れる原因は、一つではありません。次のような要因が重なることで症状が強くなることがあります:

1.ホルモンバランスの乱れ

ストロゲンの減少が、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌にも影響を与え、気分が落ち込みやすくなることがあります。

 

2.身体的な不調

年期に特有の体調不良(ほてり、発汗、疲労感など)が心にも影響を及ぼし、ストレスを増加させることがあります。


3.ライフステージの変化

この時期は、仕事や家族関係の変化、子育ての終了(いわゆる「空の巣症候群」)など、人生の転機が重なることが多く、精神的な負担を感じやすい状況に置かれがちです。

うつ症状を和らげるための対処法

更年期のうつ症状を軽減するには、以下のような方法が有効です。

1.規則正しい生活習慣を心がける

〇睡眠時間を十分に確保し、生活リズムを整えることが大切です。
〇適度な運動(ウォーキングやヨガなど)は、ストレスを軽減し、気分を明るくする効果があります。

2.栄養バランスの取れた食事

〇大豆製品に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きをするとされています。
〇ビタミンB群やマグネシウムを積極的に摂取することで、神経の働きをサポートできます。

3.リラクゼーションを取り入れる

〇深呼吸や瞑想を行い、リラックスする時間を確保しましょう。
〇アロマセラピーやマッサージも心身の緊張を和らげるのに役立ちます。

4.必要に応じて専門家に相談する

〇症状が長引く場合や生活に支障をきたす場合は、心療内科や婦人科を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
〇ホルモン補充療法(HRT)や抗うつ薬、カウンセリングなどの選択肢が考えられます。

家族や周囲のサポートの重要性

更年期の心の不調は、一人で抱え込まず、家族や友人に相談することも重要です。周囲の理解と協力が得られることで、症状の軽減に繋がることがあります。また、同じ悩みを持つ人々と交流することで、安心感や励ましを得ることもできるでしょう。

まとめ

更年期は、誰にでも訪れる自然なライフステージの一部です。しかし、その変化に伴う心身の不調を放置すると、深刻な症状に発展する可能性があります。自分自身の体調や気分の変化に気を配り、早めに適切な対処をすることが大切です。

もし「これって更年期のせい?」と感じる心の不調があれば、無理をせず、専門家に相談してみましょう。適切な治療やサポートを受けることで、更年期をより健やかに乗り越えることができます。

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福永伴子

福永伴子

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院やクリニック等で精神科・心療内科医として勤務。2011年ともクリニック浜松町を開院。

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