こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気
統合失調症は、現実と非現実の区別がつきにくくなり、思考や感情、行動に影響を及ぼす病気です。「周囲の人に悪口を言われている気がする」「誰かに監視されているような気がする」「頭の中に声が聞こえる」といった症状が続く場合、統合失調症の可能性があります。
日常生活の中であらわれるサイン
1. 思考や認識の変化
〇 誰かに監視されている、悪口を言われていると感じる
〇 自分の考えが他人に伝わってしまうと感じる
〇 話の内容がまとまりにくく、支離滅裂になることがある
2. 感情や行動の変化
〇 無気力になり、何をするのもおっくうになる
〇 喜怒哀楽が乏しくなる、または極端に強くなる
〇 以前は楽しめていたことに興味を持てなくなる
3. 知覚の変化
〇 実際にはない声が聞こえる(幻聴)
〇 存在しないものが見える(幻視)
〇 味やにおいが異常に感じられる
統合失調症の症状
統合失調症の症状は大きく3つに分けられます。
1. 陽性症状(妄想・幻覚など)
〇 誰かに操られている、監視されているという「被害妄想」
〇 自分は特別な能力を持っていると信じる「誇大妄想」
〇 実際には聞こえない声が聞こえる「幻聴」
2. 陰性症状(感情・意欲の低下)
〇 感情表現が乏しくなる
〇 何事にも興味を持てず、無気力になる
〇 他人との交流を避けるようになる
3. 認知機能の障害
〇 会話がまとまりにくく、話が飛ぶ
〇 物事を計画的に進めるのが難しくなる
〇 注意力や集中力が低下する
診断と治療方法
1. 診断の流れ
統合失調症の診断は、精神科医による問診や心理検査を通じて行います。症状の経過や生活の変化について詳しくお話をうかがい、適切な診断を行います。
2. 治療とサポート
■薬物療法
→ ドーパミンのバランスを整える抗精神病薬を使用し、妄想や幻覚を軽減します。
■リハビリテーション・社会復帰支援
→ 生活リズムを整え、就労支援などを通じて社会復帰をサポートします。
■家族支援
→ ご本人だけでなく、ご家族へのサポートも重要です。病気への理解を深め、適切な関わり方を学びます。
ひとりで悩まず、まずは相談を
統合失調症は適切な治療を受けることで、症状をコントロールしながら生活することが可能です。「もしかして?」と思ったら、一度ご相談ください。当院では、診察を通じて、患者さんとご家族のサポートを行っています。